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医師国家試験対策:非結核性抗酸菌症に関する問題

前回の記事で、非結核性抗酸菌症の問題など出ないかなあ~と書きました。

過去問には、その記事に提示した110回の結核との鑑別のための検査と、さらに遡って104回の治療薬の選択などがあります。

しかし、後者は専門家へのアンケート調査でも「疾患に比べ詳細すぎる問題」という意見が多いようです。https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/47/1/47_1/_pdf


では、こういう症例問題はいかがでしょうか?

【問題】58歳の女性。2ヶ月以上前から続いている咳嗽を主訴に来院した。20本/日を 20 年間の喫煙歴があるが10 年ほど前から禁煙している。最近になって微熱が出ることが多く、痰が増えてきていることを自覚している。1年以内に海外渡航歴なし。ペットの飼育歴なし。職業は主婦で粉じん曝露歴なし。身長162cm、体重48kg。体温37.1℃。呼吸音に左右差なく、前胸部右中肺野領域でcoarse cracklesを聴取する。

画像:胸部CTで中葉を中心とした軽度の気管支拡張所見と多発性の小結節影を認める

肺MAC症の胸部CT

喀痰塗沫検査:抗酸菌陽性(ガフキー○号)

喀痰結核菌検査:LAMP法による結核菌検出キットで結核菌は陰性

結核培地培養:細菌同定検査ではMycobacterium aviumを検出

※ M. aviumとM. intracellulareをまとめてM. avium complex (MAC)と呼ぶ。MACは非結核性抗酸菌症の80%を占める。

診断:2回以上の痰培養で同じ菌を同定

非結核性抗酸菌症の診断基準


治療:無症状の場合は治療を要さないが、症状や画像所見が悪化している場合には治療を開始し長期間の抗菌療法が必要(前述したように抗菌薬の選択は国家試験レベルではないと思われる)。


感染症の特徴:

1.検出される菌には地域差がある。全国的にM. aviumが増えてきているものの、九州でM. intracellulareが多く、四国や中国地方では半数ずつ、近畿以東ではM. aviumが多数となり、特に東北・北海道では大部分がM. aviumである、との報告もある。

2.菌は土壌や水回りに生息し、浴室の清掃やシャワーなどの水仕事との関連が指摘されている。

3.ヒトヒト感染は起こさない。


合併症:真菌症を合併することがあるので、培養を含め、真菌の検査を必ず行うこと。


転帰: 菌が完全に消えることはまれであるため、治療終了後も再発しないか定期的に胸部エックス線検査を要する。再発すれば治療を再開。


あとは、出題者がどのあたりを選択肢として問題を作成するかによりますね。

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