ボタン電池の誤飲に注意喚起!コイン型リチウムボタン電池が危ない

ボタン電池の誤飲に関しては消化管穿孔の危険があるため、社会問題にもなっており、医師国家試験の問題にも出ている、という記事を前回載せました。
http://eccmyamagata.blog.fc2.com/blog-entry-515.html

そのため可能な限り摘出すべきということになっています。


こちらは、今から4年前の2014年に出された独立行政法人国民生活センターからの注意喚起です。


「ボタン電池を使用した商品に注意」乳幼児の誤飲により化学やけどのおそれも
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20141030_1.pdf

鶏肉を使ってボタン電池による組織損傷を再現しています。


動画はこちら(01:05から)
http://www.kokusen.go.jp/douga/20141030_1_news/n-20141030_1_high.html



それから日本小児外科学会がホームページにリチウムボタン電池の危険について警告を出しています。

こちらにも注目


2018日本小児外科学会からリチウムボタン電池に関する警告


アルカリボタン電池と異なりリチウムボタン電池ではその放電能力により長時間放電し続けるというものです。

それにより組織損傷力の強いアルカリ性の液体が、ボタン電池の周りに生成されて、潰瘍を形成するかもしれないというのです。

なので使い終わったリチウム電池ではこのような危険は少ないようです。

まあ、しかし、子供が飲み込んだボタン電池が、アルカリボタン電池かリチウムボタン電池か、使い切ったものなのかまだ使えるものなのか、なんてはっきり区別はつきません。


もしもボタン電池を飲みこんだかも、あるはずのボタン電池が無くなっている、飲んだかどうかも分からないけどっていう場合も含めて、病院の受診をお願いしたいところです。

レントゲン検査をすれば、飲んだかどうかは一目瞭然ですので。


問題は、

家庭内など乳幼児の居る環境にボタン電池が存在するっていうことでしょう。

これは周囲の大人が細心の注意を払う必要があります。

次に、おかしいと思ったらできるだけ早く病院を受診することです。

実験結果が本当なら、30分同じ場所にリチウムボタン電池が接触していると、上記動画のように潰瘍が形成され、場合によっては穿孔の危険があります。


今回紹介した国民生活センターの実験ですが、生理食塩水に24時間浸した鶏肉が使用されています。

生理食塩液は電解質液なので電気を通しやすい特徴があるのと、生理食塩液のpHを測ったことがある人なら知っていると思うのですが、pHが結構低かったりします。

また、自殺企図や事故でアルカリ製剤を誤飲してしまった患者は、食道粘膜の発赤びらんなどを生じていることが多いのですが、胃の中はそれほどでもない場合もあります。

アルカリ液が胃に入ると、酸性の胃液と混ざり、pHは中和されます。

が、この際に大量の中和熱が発生するため、これにより熱傷が引き起こされる可能性があります。

強酸と強アルカリになればなるほど反応熱は大きくなります。

それから、アルカリ誤飲の患者において小腸病変というのがどうなるのかは、知識もなく、データもおそらく無いので、よく分かりません。


ちょっと話が逸れましたが、時間があれば、次回以降で、この辺の科学的根拠についても調べてみたいと思います。

医師国家試験対策: 3年連続で「ボタン電池」の問題が出てたんですねえ~

まさか、3年連続で出たとはね~

当ブログの1月25日の記事でボタン電池の話題を提供したところでしたが、、、
http://eccmyamagata.blog.fc2.com/blog-entry-466.html

ボタン電池の誤飲事故に関して、国家試験直前の12月ころ、テレビのニュースや新聞でも取り上げられていたということを書きました。

でも、3年連続はさすがに無いか(笑)、とも書いてしまってました。すみません。


【問題】4歳の女児。30 分前にボタン電池を飲み込んだため父親に連れられて来院した。機嫌はよい。胸腹部エックス線写真で胃内にあることが確認された。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 胃洗浄
b 開腹手術
c 経過観察
d 磁石による摘出
e 内視鏡による摘出


2つ選べってことですが、はいはい、異物であるボタン電池の摘出だから、これとこれって言ってしまえば簡単ですが、

臨床医からすると、この2つを選ぶのは意外と難しいかも!?

食道内にある場合は何としてでも摘出ですよね。

腐食性食道炎になると食道穿孔の危険があるからです。

しかし、胃の場合は臨床医の中でもいまだ意見が分かれることが多いと思います。

マグネットチューブによる摘出は確かに有用です。

こちらは、ある商品の添付文書です。クリックしてもエラーになってしまうのでURLをコピペして表示してみてください。
https://www.cardinalhealth.jp/content/dam/corp/web/documents/patient-recovery-jp/ifu/pt00039764(2)マグネットチューブ.pdf


が、もし取れなかった場合に、全身麻酔してまで、内視鏡で摘出、しますか?しませんか?

マグネットチューブだって、子供からすれば苦痛ですし、大泣き、大暴れすることも多々あります。


ちなみに、ボタン電池が十二指腸から小腸まで行ってしまえば、経過観察の方針となり、翌日にレントゲンで確認です。


何としてでも摘出除去!というなら、問題の解答は簡単ですが、、、

実際に、臨床の現場では、胃内のボタン電池はほとんど流れていくことが多いので、無理して摘出するのはどうなのかと言う人もいるかもしれません。

あとは、「時間との兼ね合い」、それから「ボタン電池の種類や大きさ」でしょうか。

そのあたりが問題には書いてありませんからね。。。

ある程度の時間、胃内に停滞しているのが分かっていれば、もちろん摘出です。


社会で問題視されていることは、3年連続でも、試験に出るというのは、よ~く分かりました。

今日は、医学部1年生の医学概論「救急」の講義でした

今日は、第1学年の医学概論の講義でした。

皆さん、興味を持って聞いてくれたようです。


2018医学概論スライド表紙

内容は、

1.日本の高齢化と救急搬送の現状

2.厚労省の医療計画における救急医療

3.救急初期診療の特殊性

4.救急医療システム

5.救命の連鎖

6.災害の種類と医療体制

7.災害拠点病院とDMAT

8.トリアージ

です。

面白かったかな?


講義室はこんな感じです。


医学概論1年生の講義2018


この中から将来、救急科専門医をめざす医師が出てくることを願っています。

責任重大ですね。

日本救急医学会の東北地方会が山形で開催されました

6月16日(土)山形テルサで「日本救急医学会 東北地方会」が開催されました。

この学会は参加者が600〜700人と地方会としては大きな学会なのです。

救急隊の参加が8割くらいを占め圧倒的に高く、救急隊の教育のためにも重要な学会となっています。

今回の会長は、県立中央病院の森野一真先生です。

学会のテーマは「急変への対応とその質を考える」です。


2018救急地方会正面玄関


こちらは第一会場です。


2018救急地方会メインホール


13:30からワークショップ「DNAR」がありましたが、

はじめに救急救命東京研究所の田邊晴山先生の基調講演です。

山形県内から、日本海病院の緑川先生、市立済生館の屋代先生も、山形の医療の現状をお話してくれました。


一般演題として山形大学からは症例報告を2つ発表させていただきました。

座長の秋田大学の中永はじめ先生、お世話になりました。


高田壮潔先生には、灯油誤嚥の患者さんで初期のCTではほんの少しの淡いすりガラス陰影だったものが膿瘍形成にいたる灯油誤嚥の恐ろしさを発表してもらいました。


2018救急地方会高田聡子先生


高田聡子先生には、偶発性低体温症の原因が極度の低栄養状態であり、低リン血症を補正しながら治療した症例を報告してもらいました。


2018救急地方会高田まさ先生


どちらも示唆に富む、臨床的に教育効果のある発表であったと思います。


最後に、こちらはQCPR選手権


2018救急地方会QCPR


看護師の菅野・大倉ペアで参戦しました。

決勝まで進んだのですが、入賞できず。次回に期待。来年?

私は「ショック」をテーマにしたセッションで6つの一般演題の座長をしました。


朝一のセッションで、山形大学高度集中治療センター看護師の高橋さんが、一般病棟で急変し高度集中治療センターに入室した患者の急変兆候を調べて発表してくれました。

こちらはパネルディスカッションです。

急変の8時間前までにほとんどの症例で急変兆候があることが分かりました。

また、7〜8時間、5〜6時間では呼吸のサインが多く、0〜2時間では循環のサインが多いことも示されました。

看護師はこれらのサインに気づいていて、多くが医師への報告ないし予測指示など何らかの対応をしていたという調査結果でした。

さらなる研究につなげてほしいですね。

2018年度 第一回 緊急気道管理に関する院内講習会の「実技編」を開催しました

本日18時から、緊急気道管理に関する院内講習会の「実技編」が開催されました

当院では毎年開催している院内講習会で、今回はシミュレーションがメインです。

こちらは会場の様子です。


2018 緊急気道管理講習会(実技編)


内容はこちら↓
http://eccmyamagata.blog.fc2.com/blog-entry-504.html

すなわち、

①i-gelの使い方

②エアウェイスコープでの気管挿管

③ファイバー挿管

④クイックトラックの使い方

です。


初期研修医をはじめ医師が合計40人ほど来てくれました。

参加した皆様、いかがでしたか?

i-gelでの気道確保を忘れないでください!

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